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吾輩は猫である。

能登半島地震(その3)

吾輩の救助活動は夜へと移っていた。

日中の救助活動が実績を評価してくれたのだろう。

人間が犬用の装備を吾輩に貸してくれたのだ。

これでも吾輩は猫なので夜目は効く。

だが、瓦礫の隙間を見通すには流石によく見えない。

吾輩「これで、多少救出活動もしやすくなったぞ」

吾輩は町の更に奥へと進んだ。

「みぃー」

吾輩「?、今鳴き声がしたような・・・。」

吾輩「おーい、誰かいるか?」

・・・。

「みぃー」

やはり、鳴き声で間違いない。

吾輩は鳴き声がしたであろう方向へと走った。

吾輩「おーい」

・・・。

「みぃー」

どうやら、倒壊してい建物の中だ・・・。

下側には入れそうな隙間はどこにもない。

吾輩は倒壊した建物の上へと移動した。

上には亀裂があり、入れそうな隙間がある。

吾輩「この装備では突入は無理だ。」

吾輩は装備を外して、中へと突入した。

中には、倒れている猫とその近くに子猫が一匹寄り添っていた。

倒れているのは、子猫の母猫だろう。

吾輩「おい、大丈夫か兄弟?」

しかし、母猫は反応がいない。

吾輩「おい」

しかし、母猫の目は白く濁り、体は固くなり既に息は絶えていた。

吾輩は母親の亡骸に縋りつく子猫を引きはがして抱き寄せた。

吾輩「泣くな兄弟。お前は母の分まで生きるのだ。」

「みぃー、みぃー」

吾輩「吾輩が救ってやる。だから生きろ!」

子猫は吾輩を振りほどいて母猫の元へ行こうとしていたが、

吾輩は暴れる子猫を咥えて、出口の方へと駆け上がった

「みぃー、みぃー」

外は小雨が降り始め、吾輩の体を濡らした。

吾輩は救助隊への元へと急いだ。

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