吾輩は伏せって座っている少年に声を掛けた。
吾輩「お主、何を落ち込んでおる?」
少年「ん?誰・・・?」
少年は辺りを見渡した。
少年「気のせいか・・・。」
吾輩「少年、気のせいではないぞ。お前の目の前におるではないか。」
少年「猫がしゃべった・・・?」
吾輩「いかにも、吾輩である。」
少年は少し驚ていたものの、また先ほどと同じように伏せってしまった。
少年「・・・。で?そんな珍しい猫が俺に何の用?」
吾輩「お主何やら困っているようだな、吾輩が助けになろう。」
少年「助けるって?お前が助けてくれるのか?」
吾輩「うm、お前の願いを叶えてやる。ただし現実離れした願いは叶えられんがな」
少し沈黙したのちに、語り始めた。
少年の名前はナムル。歳は13才。
母親はナムルが3歳の時に死別。
それからは父親と二人っきりで暮らしている。
毎月支給される国からの補助金もほとんど親父が使ってしまう。
食い物も親父が食い終わった残飯を食っている。
学校にもまともに通うことも出来ていない。
少年「俺、今の生活を抜け出したい!」
吾輩「ほう、ならば今よりいい生活がしたいという願いでよろしいかな?」
少年「頼む・・・。」
吾輩「よかろう、その願い叶えてしんぜよう。」